万葉の恋うた(不思議な絵本)
万葉の恋うた(不思議な絵本)
ちょっとしたご縁から、絵本
「万葉の恋うた」
を送って頂きました。

小学生から楽しめる! 万葉集の絵本
「これは、これは・・・」
と表紙の二人に魅せられて、急き立てられるようにページを開きます。

柔らかな雰囲気の中にキリッとした美少年
父の出勤を見送る主人公の母娘、古代の不思議な世界。
もどかしくページを繰ると、中央に羅生門、都の市が紹介されて
・布と税、地方からの運搬、
・東国の麻の種まき、糸つぐみ、織り上がった布の水さらし、
・・・と語られ
「わたし、心をこめてこの麻布で衣(ころも)をつくるわ。
あの方になんと云ってお渡ししよう」
と、主人公の謎めいた心の内が描かれます。
その先は・・・・・
ここで書いたらぶち壊しですよね。
さて、次はと、ドキドキで繰ると、平城京の市場の場面です。

何と、ここで、あの万葉集巻7-1264の一首が紹介されます!
西の市に
ただひとり出でて
目並べず
買ひてし絹の
商(あき)じこりかも
このまま読めば
「ただ一人で、よく見比べもしないで買った絹は、安物で大損だった」
でしょう。でも、私たちはそうではなくて
「良く判断もしないで決めた恋人は、買い損(そこ)ないの駄目男」
と教わりました。我が連れ合いは
「今の子どもさんには、これで通ずるのね。絵本って、変わったのね」
と感心しきり。
でも、後になって、
「子どもさんに解説をねだられたら、どうするんだろう、困っちゃうわね」
とこぼします。
その後、しばらく麻布の話が続いて、東国に来ます。
待ってました。

多摩川河畔に建立されている万葉歌碑(狛江中泉4丁目 大正11年・1922再建)
多摩川に
さらす手作り
さらさらに
なにそこの子の
ここだかなしき
巻14-3373 東歌
などが紹介されます。

我が意を得たりとばかり、かって巡り歩いた場所場所が、何でも忘れてしまう頭に浮びあがってきます。

(歌の詠まれた多摩川(1992.08.12.) クリックで大)
この絵本の魅力の一つはその後です。
・平城京の役人は、農繁期に休みがもらえたの?
・農作業に関係する歌には、ほかにどんな歌があるの?
巻頭の女の子が稲を刈る借り宿で一人誰かを思いやり・・・
・平城京に時計はあったの?
巻頭の女の子の思い馳せる姿・・・
・女流歌人の恋の歌には、どんな歌がある?
巻頭の若者に寒風が・・・
と問が続き、絵が答えます。
吸い込まれるように入って、いつの間にか歴史の深みに対面する。子どもと大人が共に物語の世界を一つにする。
東歌にうつつを抜かして、万葉の故地を歩き回った後期高齢者、読んで思わずはしゃぎます。連れ合いは、
「これを読んだお子さんは、本箱に大事にしまっておいて、青春時代、大人と、その都度、取り出しては目を通すんでしょうね」
と言います。現代の絵本は変わったんですね。
ミネルバ書房 監修・上野誠 絵・花村えい子 編・こどもくらぶ 企画・製作(株)今人舎 「万葉の恋うた」
久し振りの絵本の魔力、新しい世界に接してにビックリです。
(2020.11.11.記)
羽村堰の工事に入札を書きました。
ちょっとしたご縁から、絵本
「万葉の恋うた」
を送って頂きました。

小学生から楽しめる! 万葉集の絵本
「これは、これは・・・」
と表紙の二人に魅せられて、急き立てられるようにページを開きます。

柔らかな雰囲気の中にキリッとした美少年
父の出勤を見送る主人公の母娘、古代の不思議な世界。
もどかしくページを繰ると、中央に羅生門、都の市が紹介されて
・布と税、地方からの運搬、
・東国の麻の種まき、糸つぐみ、織り上がった布の水さらし、
・・・と語られ
「わたし、心をこめてこの麻布で衣(ころも)をつくるわ。
あの方になんと云ってお渡ししよう」
と、主人公の謎めいた心の内が描かれます。
その先は・・・・・
ここで書いたらぶち壊しですよね。
さて、次はと、ドキドキで繰ると、平城京の市場の場面です。

何と、ここで、あの万葉集巻7-1264の一首が紹介されます!
西の市に
ただひとり出でて
目並べず
買ひてし絹の
商(あき)じこりかも
このまま読めば
「ただ一人で、よく見比べもしないで買った絹は、安物で大損だった」
でしょう。でも、私たちはそうではなくて
「良く判断もしないで決めた恋人は、買い損(そこ)ないの駄目男」
と教わりました。我が連れ合いは
「今の子どもさんには、これで通ずるのね。絵本って、変わったのね」
と感心しきり。
でも、後になって、
「子どもさんに解説をねだられたら、どうするんだろう、困っちゃうわね」
とこぼします。
その後、しばらく麻布の話が続いて、東国に来ます。
待ってました。

多摩川河畔に建立されている万葉歌碑(狛江中泉4丁目 大正11年・1922再建)
多摩川に
さらす手作り
さらさらに
なにそこの子の
ここだかなしき
巻14-3373 東歌
などが紹介されます。

我が意を得たりとばかり、かって巡り歩いた場所場所が、何でも忘れてしまう頭に浮びあがってきます。

(歌の詠まれた多摩川(1992.08.12.) クリックで大)
この絵本の魅力の一つはその後です。
・平城京の役人は、農繁期に休みがもらえたの?
・農作業に関係する歌には、ほかにどんな歌があるの?
巻頭の女の子が稲を刈る借り宿で一人誰かを思いやり・・・
・平城京に時計はあったの?
巻頭の女の子の思い馳せる姿・・・
・女流歌人の恋の歌には、どんな歌がある?
巻頭の若者に寒風が・・・
と問が続き、絵が答えます。
吸い込まれるように入って、いつの間にか歴史の深みに対面する。子どもと大人が共に物語の世界を一つにする。
東歌にうつつを抜かして、万葉の故地を歩き回った後期高齢者、読んで思わずはしゃぎます。連れ合いは、
「これを読んだお子さんは、本箱に大事にしまっておいて、青春時代、大人と、その都度、取り出しては目を通すんでしょうね」
と言います。現代の絵本は変わったんですね。
ミネルバ書房 監修・上野誠 絵・花村えい子 編・こどもくらぶ 企画・製作(株)今人舎 「万葉の恋うた」
久し振りの絵本の魔力、新しい世界に接してにビックリです。
(2020.11.11.記)
羽村堰の工事に入札を書きました。