そこまで春が!

 「きょうはセーターで大丈夫よ」
 「鴨居るかな・・・?」

 2月末日、暖かです。
 玉川上水、いつもの請願院橋から千手橋まで歩きます。

DSC_45591.jpg

 綺麗に掃除が行き届いて、流れの中の芥はすっかり取り除かれています。
 どうした訳か鴨は居ません。
 玉川上水駅前、請願院橋のたもとの自転車置き場、整理の方に聞きます。
 「今日は見ました? 鴨」
 「一羽居ましたよ。でっかいのが」
 「良かった。この頃、見かけないんですが、どうしてなんでしょうか?」
 「それはね、訳があるんですよ。この橋の下流側で、餌をやる人が居るんです」
 「ほんとですか?」
 「私らは、注意できないんで・・・」
 と淋しそう。

DSC_4561.jpg

 困ったものだ、とブツブツ云いながら梢を見上げます。
 なんとなく膨らみを感じます。

DSC_4523.jpg

 望遠で寄せると、ありました。まだ、固いですが、もうすぐのようです。

DSC_4542.jpg

 水辺に近い方では
 「鴨はそのうち戻ってくるから、あんまりしょげなさんな」
 と云ってくれているように一輪、二輪と開いていました。
     (2017.02.28.記)

あっという間に視野が狭まった八王子道

 2017年2月24日、仲間との会合に立川へと出かけました。
 多摩モノレール桜街道駅から八王子道を見てガッカリ。
 先が塞がれた感じになりました。

八王子道2
(2017年2月24日の八王子道 画像はクリックで大きくなります)

 1500年代の後北條氏の時代、拠点の八王子城へと向かったであろう道、2016年1月9日時点では微かに先が伺えました。
八王子道1
(2016年1月9日の八王子道)

 東大和市内では、斜めに走る八王子道を当時の雰囲気を素朴な形で残すのはここだけとなりました。
 無理な願いであることは十分承知ですが、何らかの形で残して欲しいと思います。

八王子道3

 この道は大山参りの道でもありました。
 旅した人々は茫々と続く武蔵野の原野の彼方に富士山を見ながら、格別な旅情に浸ったことと、当時が偲ばれます。
  (2017.02.24.記)

山の神

 市内の中央部の交差点で交通事故がありました。

セブンイレブン交差点800
(画像はクリックで大きくなります)
 知人から、
 「あそこは、確か、山の神があったところ。
 畑の中に三・四本、杉だか何だか立ってて、おっかなかったよな。
 近所の人がその祟りだろうと云ってるけど、どう思う?
 それに、なんで、山の神があそこにあったんだ?
 山の神って、山に居られるんだろ・・・」

 との問い合わせ。

 「確かに、交差点の近くだ。
 古い地図を見せるから、来いよ」

 調べると交差点には直接かからず、少し離れていて、
 「ああよかった、山の神もお許し下さってんだ・・・」
 と云うことになりました。

山神社位置のコピー

 さて、東大和市では高木でも、奈良橋でも、狭山でも山の神は、山ではなく原に祀られました。
 祭神は茅屋野姫命(かやのひめのみこと) です。カヤノヒメから、古事記が浮かんで来ました。ありました。
 イザナギとイザナミの神は、風の神、木の神、山の神をお産みになり、引き続いて、野のために鹿屋野比売神(カヤノヒメノカミ)をお産みになります。
 カヤ=茅に表現される穀物や植物の生育を司る女神です。
 やがて、カヤノヒメは山の神=大山津見神(オオヤマツミノカミ)と結婚して、霧などの自然現象を司る神々をお産になります。
  (次田真幸 講談社学術文庫 古事記(上)p50)

山の神
高木神社に祀られている山の神

 「そういうわけか。東大和は武蔵野を新田開発した畑作が中心だったもんな。でも、祠や呼び名は、なんで、山の神なんだ?」
  「山の神が野の神を守るようにして祠を構え、一緒に居るんだよ。東大和の人は優しいんだよ」
 「そうか、それは気に入った。両神にお供えして、いっぱいやるか!」
 すぐ話がまとまりました。
     (2017.02.21.記)

テレスケダイコと夜学

報恩感謝の額
(「報恩感謝の記」の額)
 (各画像はクリックで大きくなります)

 「報恩感謝の記」「共励学会」は読めるのですが、後が続きません。
 狭山神社(東大和市)に奉納されている一枚の額です。
 近所の知人の父親が詳しくて、聞いてみると、いろいろあったことがわかります。

 明治20年代の初めです。
 『若い者は夜遊びべえ、してんけど、ちったー(少しは)勉強もしたらよかんべえ』
 暇があるとハタオリ女をかまって遊び歩く状態をなげいて、 二人の先輩が勉強会を提案したようです。

 村は貧しい盛りでした。小学校をようやく卒業すると、若者はすぐ働きに出ました。労働の終わったあとの楽しみは、神社の祭りに演ずる囃子の練習か、機織り娘のところへ夜話に行くかでした。
 一方で、この地域は自由民権運動の盛り上がりを経て、新しい村の在り方に刺激を受けていました。

狭山神社
(狭山神社)

 先輩の呼びかけに、13歳~14歳の3人の少年が応じて、夜学の設立をはかりました。村中を勧誘して歩きましたが応ずるものはありません。結局、あちこちの家を借りて夜学を開始しました。学校で学んだ事の復習と四書五経を読み合いました。

 ところが、神社で古老の指導を受けて、テレスケ、テレスケと毎晩集まる連中には面白くありません。夜学組は「ナマイキな奴ら」です。自分らへの挑戦とも受け止めました。妨害が始まりました。石や土を投げたり、草履を隠したりです。

 夜学組は屈しなかったようです。逆に、熱心な誘いをかけて、ついにテレスコ連も仲間になりました。「共励学会」はそれを意味しました。

 先生には、小学校の教師が身銭を切って当たりました。狭山公民館の前に碑がたつ内堀太一郎氏が中心で、親たちも何かと面倒を見ました。それが、先祖への気持ちも含めて「報恩感謝」になりました。

 丁度、木綿縞の機織が最盛期で、生徒達は仕事を持ち込んで作業をしながら話を聞いたそうです。やがて、場所は公会堂になり、夜になると電灯の明かりがついて、テレスケ太鼓と時間を分け合って活気に満ちたと伝えられます。

狭山公会堂
(現在の公会堂)

 額は明治34(1901)年に奉納されました。自由民権運動の跡を追いかけていて、改めて当時の空気を感じさせられました。
 (2017.02.16.記)

六臂(ろっぴ)地蔵尊 

 「この仏様はどのような仏様ですか?」
 「お地蔵様です」
 「腕が六本あるように見受けますが・・・?」
  「その通りです」
 「・・・・・?」

 住職さんは笑いながら次の質問を促します。
 画像はクリックで大きくなります。

DSC_36501800.jpg

 「像の上に

  毎日晨朝入諸定 
  入諸地獄令離苦 
  無仏世界度衆生 
  今世後世能引導

とお地蔵様の讃偈が彫ってあるし、錫杖をお持ちだし・・・」

DSC_36491800.jpg

 「間違いなく、お地蔵様です。腕が六本あるのが不思議なんでしょう」
 「はい、何を持って居られるのですか?」

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 右 上の手 錫杖 中の手 柄香炉、下の手 念珠
 左 上の手 臂(腕)を延ばして宝珠、中の手 金剛幢、下の手 掌を立てる

 記録を調べると、宝暦11年(1761年)権大僧都法印伝翁とあります。住職は続けます。

 「これは、当寺の伝翁が、六道能化の地蔵菩薩の変化身をあらわしてつくられたものと思います。
 お地蔵様も天道、人道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道の六道について、さまざまに姿を変えて、私どもを救って下さるのです」

 こうなると、私には手に負えません。わがまちに一つしかない貴重な文化財と、手を合わせ、深々と頭を下げました。
 所在地 東大和市雲性寺住職墓地
    (2017.02.10.記)

子抱地蔵尊

 石仏の好きな友が東大和市内の何体かを紹介しろと云ってきました。
 馬頭様か庚申様か迷いましたが、最初はお地蔵さんに決めました。
 画像はクリックで大きくなります。

DSC_35041800
 
 錫杖に手を回す子供ともう一人左腕に抱えています。 
 残念ですが、頭部が欠けています。
 文化4年(1807)、女念仏講中がまつりました。
 村山貯水池に沈んだ内堀村の女衆です。
 ロシア人が利尻島で幕府の船を焼いて大騒ぎになった年です。

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下の子は太い錫杖にしっかり手を添えています。

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 抱きかかえられた上の子は両手を唇にしゃぶっているのでしょうか?
 人口減、子育て施設の不足、親子乖離・・・いろいろありますが
 江戸時代末の内堀村の女衆には、さらに切実な願いがあった事が偲ばれます。
 でも、錫杖は頑丈で、子を抱き抱える手は強力で
 先ずは、このお地蔵さんをと送りました。
 所在地 東大和市奈良橋庚申墓地

 永らくご無沙汰してしまいました。
 後期高齢者には若干酷な仕事が続きましたが、暫くは解放されそうです。
    (2017.02.06.記)
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野火止用水

Author:野火止用水
 歴史大好き爺です。

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